2006年7月15日土曜日

定番品

今、作り進めている定番品で使っている革です
当工房ではSBと呼んでいる革で、イタリアのタンニン鞣しの革です(これはチョコ色)
R0010365_s







この革で定番品のブリーフケースを作製中です
銀面は少し硬質気味の革ですので、使い始めは特に傷がつきやすいきらいはあります
けれど、使い込んでいくとツヤが増し色味が深くなり革味が増していきます
そうしますと、多少の傷は目立たなくもなっていきます
革らしい風合いのお好きな方にはお薦めの革です
十数年前、はじめてこの革を使ったときの感動は今でも忘れられません
コバの締まり具合など、素晴らしかった記憶があります
当工房の一番の定番皮革の一つです
ただ、昔と比べ少し柔らかみのある鞣しに変わってきていることは否めないとここ数年感じています(それは、この革に限った事では無いのですが・・・・)



昔は良かった・・・などと言う気は毛頭ないのですが、こと革の事になるとあきらかに昔のほうが鞣しの良い革は多かったと思っています



タンニン鞣しの革はドラムで鞣すよりはピットで鞣すほうが繊維がピシッと良く締まった鞣しになります
鞣製剤も、タンニンパウダーよりも本当のタンニンを使った鞣しのほうがしっかりとした鞣しとなると感じています
ただどちらも、それはそれは手間が掛かり、積み重ねられた職人の知識と勘が必要な製法です
それを続けていく事には膨大な時間とコストがかかりリスクを伴うでしょう
そういった革を作るタンナーに出会える事は残念がら年々少なくなってきています・・・・



もちろん使う用途により求められる革の仕上がり・味は異なります
たんに固くギュっと締まった革であれば良いとは言いません・・・・
けれども、そういった革が決定的に少なくなっているのは事実です



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